「うわ、これは、すごい複雑!」と思われるでしょうが、可能な限り画面切り替えを少なくし、1画面に多くの情報を表示することが目的でした。受付でカルテを見て診療内容を入力するのではなく、診察室のデスクサイドでリアルタイムに入力してゆくことが前提ですので、医師がちらりと見て全てが入力されていることがすぐに解らねばなりません。当然、投薬や注射、検査の内容と同時に病名が見渡せなければいけません。市販の医療事務処理ソフトは皆、画面がシンプルでカッコよいのですが、うちのはその逆をいくことにしました。投薬、注射、検査等それぞれ入力する場所が固定しているので、ここが空白だと入力していないことがすぐわかり、入力忘れがなくなります。また、どこに何を入力するかが直感的にわかるので、慣れるのは早いです。(当初は都立病院や大学病院のように医師自身が入力することにしていましたが、患者数の多い診療所では困難であり、よく批判されるように「お医者さんがPCの画面ばかり見ていて患者さんの方をあまり見てくれない」ことになってしまうので、最近では診療介助スタッフが隣で逐次入力してゆくようにしています。)
左図で簡単に言ってしまうと、画面の上3分の1が患者に帰属する情報(患者名や生年月日等、そして病名。保険情報は別ウィンドウでポップアップする。)、画面下3分の2がその日の診療内容で、最下部のボタンで前回、前々回、、、と診療内容を遡れます。
欠点その1:汎用性が少ないことです。当院の診療内容に最適化してそれぞれの投薬・注射・検査等のサブフォームの大きさを決定しているので、例えば一度に処方する薬が10種類以上ある場合などは画面をスクロールしなければなりません(それぞれのサブフォームをダブルクリックするとより多くを表示できるウィンドウが開きますので、こちらで入力することもできます)。
さて、診察室で診療終了ボタンをクリックすると、指導や加算などのチェックがかかり、各種入力用のサブフォームや入力用のボタンがロックされ、変更不可能となります。(入力間違い等の際にこのロックを解除することはできますが、その操作は時刻とともにログファイルに記録されます。)
窓口では、受付処理済み診療患者リストに診療終了のマークがつくので、この患者画面を呼び出し、計算・領収処理をします。薬剤情報提供ボタンが押されていれば、領収書とともに薬剤説明書がプリントアウトされます。