夏のアラスカは少々寒いけど快適な旅をもたらしてくれました。この季節はオーロラが見れないことが残念でしたが、冬は船では行けないので仕方ないところです。澄んだ空気と風、青く晴れわたった空と緑の山々、そして白く、時に青く輝きながら、気の遠くなるような時をかけて海に流れ込む氷河。。。果てしなく広がる大海原にゆられながら、自然の雄大さを満喫した７日間でした。
　豪華客船のクルーズというと、高嶺の花と思っていましたが、プリンセス・クルーズのホームページにもあるように、その価格は思っていたほど高くはありません。７泊食事つきでこの値段は、ホテルに泊まって毎晩のようにフルコースのディナーを食べることを考えるとむしろ安いぐらいかもしれません。欧米の人にとってクルージングは、私達が考えているよりずっと身近な余暇の過ごし方のようです（長期の休暇をとる習慣の少ない日本ではなかなか難しいかもしれませんが）。
　今回、私は医師になって初めての１０日間という長期休暇をとって行ってきました。正直言うと、患者さんのことが気になることはしばしばありましたし、レンタルで持参したイリジウム衛星携帯電話がなかなかつながらなかったりして、１日２〜３回の留守電チェックや病院への電話の度にやきもきすることもありました（船に装備されているインマルサットの衛星電話はよくつながりますが料金が高いので）。それでも、充分リラックスできたし、少々長めのバカンスは旅の終わりに「もう休みも終わりか」というより「さてそろそろ頑張るか」という気を起こさせてくれるものです。